Let Us Break Bread Together|歌詞・和訳・意味を解説【黒人霊歌】
この作品について
『Let Us Break Bread Together』は、アフリカ系アメリカ人の伝承霊歌で、後に聖餐歌として広く歌われてきた英語の歌です。個人の作詞者や単一の原型は確定できず、多くの節違いがあります。ここでは「ともにパンを裂こう」と始まる短い基本節を扱います。
最初の主語は「私たち」です。ところが二行目からは「私」がひざまずき、最後は「私を憐れんでください」という一人の祈りになります。共同体の食事と個人の祈りが、同じ「ひざまずく」姿勢で結ばれている点に注目してください。
対訳
When I fall on my knees,
With my face to the rising sun,
O Lord, have mercy on me.
私がひざまずき、
昇る太陽へ顔を向けるとき、
おお、主よ、私を憐れんでください。
break bread パンを分けて食べること。共同食とキリスト教の聖餐の双方を響かせる
on our knees ひざまずく祈り・謙遜の姿勢
the rising sun 昇る太陽。sun/Sonの掛詞を本文の確定事項とはしない
ともに食べる歌が、最後に一人の祈りへ変わる
冒頭の “Let us break bread together” は、歌う人々を一つの行為へ誘います。パンを裂くことは普通の共同食を意味し得ると同時に、キリスト教の聖餐を強く響かせます。ここではまず、食べることが「ともに」行うものとして置かれています。
しかし続く行では主語が “I” に変わります。「私がひざまずくとき」。同じ礼拝の場にいても、憐れみを求める祈りは代理してもらえません。共同体の中にいる一人ひとりが、自分の姿勢で主に向き合う構造です。
最後の “O Lord, have mercy on me” は、この短い歌を儀礼の説明ではなく祈りへ変えます。パンをともに裂くこと、ひざまずくこと、朝の光へ顔を向けることが、最終的に「私を憐れんでください」という願いへ集まります。
そのためこの歌では、共同体と個人は対立しません。みなで行う礼拝が、一人称の祈りを消すのではなく、むしろそこへ導きます。「私たち」から「私」へ縮まる視点が、四行の短さの中に礼拝の二つの側面を置いているのです。
原文全文
When I fall on my knees,
With my face to the rising sun,
O Lord, have mercy on me.
原文出典
Hymnary — Traditional spiritual text
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